春のいらいら・そわそわに②

陽気になって血の巡りが良くなってくる季節には肝が働きすぎて疲弊しやすくなっていますーと、前回お話しさせていただきました。

今日はその続きのお話をすこし。

春に肝の働きが活発になる一方で、胃腸の働きが弱くなりやすいと考えます。
高ぶりすぎた肝が脾(=胃腸の働き)を邪魔するから食欲がなくなるーという感じですが…

ーここですこし東洋医学のお話をー

東洋医学の考え方の基本に「五行説」があります。
自然界にあるものを5つの要素を相関関係であらわし、それぞれがバランスよく調和している状態がよいと考えます。
色や味、季節、そして人も自然の一部として考え、人の体(臓腑)や感覚器さらに感情など…さまざまな切り口で5つの要素であらわし関連づけたものに「五行色体表」があります。

上の図であらわされている五行の相関関係で「木」に肝、「土」に脾が関係します。
そしてー「木」からの矢印が「土」にむかっているように「肝」が強くなり過ぎると「脾」が弱まります。「脾」の働きは消化吸収なので、「肝」が高ぶりすぎると食欲が落ちたり、消化が悪くなることもあります。

※「肝」は五行色体表の五季では春と関係していて、東洋医学では2月から4月を春ととらえて、春になると肝の機能が盛んになって「脾胃」にも影響します。現代医学的に言いかえると、ストレスで胃腸の動きが悪くなり食欲がなくなる、胃が痛くなる、おなかの調子が悪くなって下痢をする、ということになります。

「肝」・・・酸、青 → 春先に青いもの(葉野菜)や酸味のもの(柑橘類)を食べると良い
「脾」・・・甘、黄 → 食欲が落ちたり消化が悪くなったとき、脾の働きを助ける自然の甘みのある食材を摂るとよい


春の気候に負けて体調を崩しやすいときです。
春は肝のたかぶりを抑える旬の野菜をたっぷり食べて、なるべく生ものや冷たいものは避け、温かいものを食べるようにしてみてください。さっぱりとした味付けを基本に刺激物や高脂肪の食材を控えて、脾の働きを助ける甘味のある食材(ただしー甘みとは野菜など自然の甘みのことです)も取り入れてみてください。

そしてー今日はもうひとつ。
季節の変わり目のちょっとした体の不調におすすめのお茶をご紹介したいと思います。


●酸味のあるハーブティー(オレンジフラワーやパッションフラワーなど)
●ラベンダーやカモミール
●ローズヒップ など…

気になるものを組み合わせていただくことで相乗効果があるかもしれません。緑茶が好きな方は緑茶のブレンドも試していただいても良いと思います。

お元気に良い季節をおすごしくださいませー