質の高い精子をつくるためにできること

不妊治療というと、いまだに女性の問題として捉えられていることが多いと感じます。
ただ、不妊のおよそ半数は男性にも原因があるとWHO(世界保健機関)は発表しています。

男性不妊の原因には、
・造精機能障害
・精路通過障害
・性機能障害
・副性器障害

がありますがその原因の中でもおよそ8割は、精子の数が少ない、動きが悪いなど、精子をつくる機能に問題のある造精機能障害です。
またこの造精機能障害は精索静脈瘤等の疾患から生じるものもありますが、特に原因となる疾患のない、原因不明なものも多くみられます。
そういった場合、普段の食事や運動などの生活習慣から問題が生じていることがほとんどです。

では、質の高い精子をつくるためには普段の生活でどのようなことに気をつければいいのでしょうか。

精子は通常、精巣が低い温度に保たれることで生産されます。
ですので日々の生活の中で精巣の温度を上げたり圧迫をしたりする以下のことを避けることが大切になってきます。

・熱いお風呂やサウナに長時間入る

・ブリーフやボクサータイプの下着を着用する

・自転車やバイクに長時間乗る

・PCを膝の上で使用する

その他にも

・禁欲期間が長い

・喫煙

・過度なアルコール摂取

・薄毛治療の男性ホルモンカット薬

・肥満

これらは精液所見が悪化する要因であることがわかっています。

受精卵3日目以降の成長には精子がかかわってくると言われています。
受精卵の成長が途中でとまってしまうことが多い場合、その原因は実は男性側にある可能性が十分にあり得るわけです。

なかなか妊活がうまく進まない方はまずは精液検査、そして普段の生活から質の良い精子をつくることができる習慣を取り入れていきましょう。
また、精子がつくられるのには74日程度かかりますから、続けられることから始めていきましょう。

クリニックでは精液所見が不良で、原因が特定できない場合はビタミン剤漢方薬などの薬物療法が行われます。
鍼灸治療でも血液循環を向上させ、体内環境を良好にすることで精液所見を改善させることが可能です。
いつでもご相談ください。