子宮外妊娠って鍼灸で予防できるの?

子宮外妊娠とは子宮内膜以外の場所で受精卵が着床し妊娠してしまうことで、全体の妊娠の1%程度で発症する異常妊娠です。
卵管に着床するケースがほとんどで、その他卵巣や腹腔に着床することもあるようです。
子宮外妊娠となった場合、残念ながらその後の妊娠継続は期待できず自然流産を待つか手術を受ける必要があります。

当院の患者さんにも子宮外妊娠を経験されてからご来院された方が何名かおられます。

元々不妊治療で悩んでおりクリニックでの治療に加えて鍼灸も・・・という方がほとんどで、子宮外妊娠を防ぐために鍼灸治療を始めたわけではありませんが、鍼灸治療後は皆さん正常に着床という結果を得ることができました。
では鍼灸に子宮外妊娠の予防効果はあるのでしょうか?

答えとしては十分に予防効果があると考えられます。

まず、子宮外妊娠が起こる原因について考えなければなりません。

通常の妊娠では卵管膨大部で受精した受精卵が子宮内膜まで移動し着床するわけですが、子宮外妊娠の場合その移動が正常に起こらず子宮内膜に達するまでに卵管内で着床してしまうケースが最も多いです。

原因は多岐にわたり不明とされているものもありますが、卵管内の移動がスムーズにいかないことが大きな原因のひとつであると考えられます。

卵管内の移動がスムーズに行えない理由として

①卵管の狭窄

②炎症による卵管の癒着(クラミジア感染症や子宮内膜症)

③卵管の繊毛運動や卵管内壁の蠕動がうまく働いていない

これらが挙げられます。

鍼灸治療では子宮、卵管、卵巣部の血液循環を促す効果があります。
当然しっかり血液が流れる状態をつくることができると卵管の狭窄や癒着も改善が見込まれます。
また卵管の繊毛運動や内壁の蠕動は自律神経によりその働きが調節されています。
自律神経の働きを整えるのは鍼灸の得意分野です。

せっかく妊娠しても子宮外妊娠となると、「出産」という結果までは辿りつきません。

無事出産というゴールを迎えるまでに鍼灸で対応できる問題は多くあります。
今回は子宮外妊娠を取り上げましたが、着床が正常に行われた後であっても様々な問題が起こりえます。

何かお悩みございましたらご遠慮なくご相談ください。