妊娠しやすい季節はありますか?
6月も末に近づき、湿度の上昇に伴って暑さが日に日に厳しくなってきました。
夏や冬の始まりには「暑いと(寒いと)妊娠率は下がりますか?」というような質問を受けることがあります。
季節と妊娠率についてはいくつもの論文がありますが、体外受精では季節による影響はほぼないであろうといった論調が主流です。
体外受精のように管理された環境下ではあまり季節の影響は受けないであろうと考えられています。
自然妊娠に関しては北アメリカとデンマークにおける自然妊娠状況において「秋は妊孕性が高く、春は妊孕性が低い」といったデータなどもありますが、日本とは平均気温等の諸条件が異なります。
ただ自然妊娠は確かに季節の影響を受けていると考えられています。
ですがそれは季節の「気候」だけに影響を受けているわけではなく、「地域」・「文化」等のその他の季節環境が影響を与えているのではないかと言われています。
例えば日本のクリニックでも「長期休暇明けや祭りなどの大規模イベントの後が妊娠数が増える」・「環境が変わる3・4月の妊娠数は少ない」など季節によって妊娠数が変動するデータがいくつもの院から発表されています。
日本では出生が夏に多く、冬に少ない傾向にありますが、だからといって「妊娠のしやすさ」が「気候」によって変動するとは言い切れません。
また妊娠と季節の関係性には地域差・文化差だけでなく個人差もあると考えられます。
暑さにストレスを感じやすい方、寒さにストレスを感じやすい方、春や秋でも季節性のアレルギーに悩まされる方・・・
そういった季節による体調の変化には個人差がありますから、人によって妊娠のしやすい季節は変わってくるかもしれません。
現状、確度の高い「絶対的に妊娠しやすい季節」というものは存在しません。
また自然妊娠に関しても妊娠数のデータは取れても、妊娠率のデータは取れません。
季節にとらわれることなく、ご自身の身体と心の健康と向き合いながら、妊活に望まれるのが最善かと思われます。