子宮内膜症と子宮内膜炎の違いとは?

不妊・妊活にお悩みの方の中には

①はっきりと妊娠しにくい原因のある方

②特に原因は見つからないけどなかなか妊娠できない方

どちらもいらっしゃいます。

①の「原因のある方」の中でよく耳にするのが子宮内膜「症」
よく似た名前で子宮内膜「炎」という病気もあります。
今回はこの2つの違いについて説明します。

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簡単に言うと

子宮内膜症・・・子宮内膜が子宮内膜以外の違う場所にできる

子宮内膜炎・・・子宮内膜が炎症を起こす

という違いがあります。

子宮内膜症は本来子宮の内側にしか存在しない子宮内膜組織が、子宮以外の場所(卵巣や腹膜など)で増殖、剥離を繰り返すものです。
月経時に剥がれ落ちた子宮内膜は月経血として体外に排出されますが、子宮以外の組織で増殖した内膜組織は腹腔内にとどまり炎症や痛み、癒着を引き起こします。
月経痛が強くなったり、月経時以外にも下腹部痛や腰痛、排便通、性交痛などがあらわれたりします。

子宮内膜炎は何らかの原因で細菌が子宮内に入り炎症を起こすものです。
通常、子宮内膜は月経のたびに剥がれて体外に排出されるため炎症を起こすことはありません。
しかし大腸菌やブドウ球菌、結核菌、クラミジア、淋菌などに感染すると炎症を起こすことがあります。
内膜炎の症状の特徴としては以下のものが挙げられます。

①悪臭のある膿性のおりもの、褐色のおりもの(膿性帯下)
②下腹部痛
③月経時でない時に月経痛のような痛みがある。
④不正性器出血
⑤排便痛、排尿痛
⑥全身症状は乏しい

どちらも妊娠に至るためには大きな障害となります。
まだ不妊治療を始めてないけどなかなか妊娠できない・・・という方で上記の症状にあてはまる場合は一度クリニックで診察を受けてみましょう。