腎の働きが衰えやすい、冬。

今シーズン1番の寒波も流れ込んできて、いっきに本格的な冬がはじまった今週でした。

今回は、冬と関係が深い「腎」のこと、働きや起こりやすい症状のことなどをすこしお話してみます。

本題に入るまえに東洋医学のこともすこしだけ。
東洋医学の基本に、病気になってしまう前に養生をし、体の自然治癒力を引き出し健康状態を維持するという考え方があります。
人を自然の一部として考え、あらゆる物質や現象を「陰陽」のどちらかに分けて考える「
陰陽論」と、この世界の全ての事物を「木、火、土、金、水」の五つの要素に分ける「五行説」。この2つを理論の基本にしています。
五行説」では人の体に応用した「五臓」の考え方があり、人の体も「心・肺・脾・肝・腎」の5つに分けられ、そしてこの五臓のほかにも季節やあらゆるものを5つに分類しています。

そして今回主役の腎。
腎は私たちの生命活動の源となる精力(腎精)を貯蔵して全身に活力を与える器官です。

腎が弱ってしまうと生命エネルギーが衰えて、気力・体力・活動量も低下して元気がなくなってやる気もなくなってしまいます。
先ほどの東洋医学的な考え方から、腎は五行の水に属し、五季のなかでは冬五悪では寒にあたります。腎は寒さを嫌うことを意味し腎の働きは冬に衰えやすくなります。水に属する腎が冷えるーということは体内を流れる体液も冷え、そこから身体に様々な不調が起こります。

腎は膀胱や骨・骨髄・耳とも密接な関係があるため、腎が弱って機能が衰えると尿の出が悪くなり、体の中に余分な水分が滞ってしまい、むくみや冷え・膀胱炎や下痢・腰痛・神経痛・耳鳴りなどの症状が起こりやすくなります。


腎はホルモンや生殖活動を担っているため、不妊は腎が弱まっていると考えます。
腎にいい食材や冬に旬を迎える食材と薬効についても、またお話しできたらと思います。
 

2020年も残す所あと2週間ほど…年末が迫って一年で一番あわただしく忙しくなる頃です。最強寒波の峠は超えたみたいですが、年末年始も厳しい寒さと大雪が予想されているそうです。

いつもと違う今年の冬、コロナ禍で迎えるクリスマスやお正月ではありますが、たのしみな冬のイベントが続きます。健康に気遣って、元気にゆく年くる年しましょう!